重要行事が目白押しの2019年
2019.01.16
読者のみなさま、明けましておめでとうございます。平成最後となった正月は、30年間を振り返り、名残を惜しみつつ、新しい時代に思いをはせたのではないでしょうか。今年も頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
重要行事がめじろ押しの本年は、歴史の節目となる。
4月1日に、新元号が公表され、5月1日に、新天皇のご即位とともに改元される。前後10日間は特別な連休となる。この慶事を寿(ことほ)ぐとともに、国民生活に支障が出ないように目配りしつつ活用したい。
6月には、初の議長国としてG20(20カ国・地域)サミットが大阪で開催される。対立や分断の兆しのなかで、対話による多国間協調を生み出す絶好の機会をリードしていかなければならない。
7月は、改元後初の国政選挙となる参院選が行われる。新時代を担うにふさわしい政治リーダーが選ばれることを期待したい。
10月、消費税率引き上げとともに、いよいよ軽減税率が実施される。合わせて、幼児教育の無償化も始まる。両者は、わが公明党が、少子社会トータルプランや社会保障と税の一体改革で一貫して訴えてきたものであり、そのスタートは感慨深い。
秋からラグビーW杯、来年には東京五輪と国際スポーツ行事が続く。いずれも、歴史を刻む大仕事であり、成功裏に運べるよう心して臨みたい。
文大統領の会見には驚いた 解決の責任は韓国にある
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が10日、年頭記者会見を行った。このなかで、韓国最高裁のいわゆる「元徴用工」をめぐる判決について、「日本の政治家、指導者たちが政治争点化して、問題を拡散することは賢明な態度とは思えない」などと、日本批判を展開したのには驚いた。
「韓国政府は司法府の判決を尊重しなければならない」とか「日本も不満があっても仕方ないとの認識を持つべきだ」とまで言い放った。
これには、菅義偉官房長官が11日の会見で「韓国の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾だ」とキッパリ批判した。
日本政府は「この問題は日韓請求権協定で解決済みであり、先の判決は国際法に違反する」との立場をとっている。
先週末に行われた共同通信の世論調査でも、日本政府の立場を支持する人が8割にのぼっている。
文氏は「この問題は、韓国政府がつくりだした問題ではない」と人ごとのようだ。判決の論理は別にして、両国政府は、関係を正常化するために日韓基本条約を結び、請求権協定で、政府間および国民間の請求権問題も解決した決断こそ尊重しなければならない。
実際、これに基づいて、韓国政府は、元徴用工に対しても重ねて救済措置をとってきている。文氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の大統領府の幹部として、この問題の経緯を熟知している。
日本政府は、請求権協定に従って、外交的に解決するために、韓国政府に協議を申し入れている。元徴用工に訴えられる裁判も抱えている韓国政府は複雑な立場に立たされているが、解決の責任は韓国政府にある。
日本側は冷静に粘り強く、これまでの立場をもとに、話し合いで解決を図るべきである。「自制」は自らに言い聞かせてこそ意味があり、相手に望むものではない。(公明党代表)
【2019年1月16日(15日発行)夕刊フジ掲載】