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ブログ「本音でズバッと」

東京五輪の教訓をパラに生かす

2021.08.18

東京五輪は、日本が史上最多のメダル(金27、銀14、銅17、計58)を獲得して、閉幕した。メダリストはもちろん、さまざまな困難を乗り越えて力を尽くした、すべての選手をたたえたい。

大会は、各種競技の役員をはじめ、警察や自衛隊、民間警備会社などの警備陣、コロナ対応チーム、数万人にも上るボランティアなど多くの関係者の支えによって開催された。若干のトラブルはあったものの、おおむね順調に運んだといってよい。

各国選手団や競技団体関係者からは、食事が好評だったと聞いている。私が期間中にお会いしたポーランド大統領やシンガポール国会議長からは、整然とした大会運営に高い評価が示された。

一部の野党やメディアは、五輪開催に反対して中止を主張していたが、各種世論調査では、60%以上が「開催してよかった」「また開催してほしい」と答えている。コロナ禍としては大成功に終わったといえる。

24日から東京パラリンピックが始まる。東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)の各代表との4者協議を開き、五輪の教訓とコロナの感染状況を踏まえ、東京、埼玉、千葉、静岡の1都3県の全会場を原則「無観客」とすることとなった。

子供たちを対象にした「学校連携観戦プログラム」については、教育的な意味を重視し、五輪でも宮城や茨城、静岡で実施されて好評を得たことから、自治体や学校が希望する場合に実施するとなった。これは良かった。

菅義偉内閣の支持率が、報道各社の世論調査で、発足以来最低を記録している。五輪の評価は高いものの政権浮揚効果にまではいたっていない。やはり、新型コロナ変異株(デルタ株)の感染拡大が影響している。病床確保のための入院対象者の取り扱いについて政府の説明を修正するなど、菅内閣の「説明不足」も一因だ。

次期衆院選を見据えて、政権与党として挽回を図っていかなければならない。急に目先を変えるより、支持率低下の要因を改善していくほかない。感染拡大をくい止めるために、防止策の徹底と宿泊療養施設での抗体カクテル活用など医療提供にあらゆる努力をする。並行してワクチン接種を着実に進め、パラリンピックを成功させることに真摯(しんし)に取り組むことだ。

こうした矢先、わが党の衆院議員2人の事務所が4日、貸金業の登録をせず融資の仲介をしていた被疑者2人の関係先として家宅捜索を受けた。この2人は議員でも秘書でもない。

いやしくも、被疑者の関係先として強制捜査の手が及ぶこと自体、遺憾なことであり、国民のみなさまにおわびしたい。捜査妨害につながるような言動は控え、今後の捜査に協力し、事態の解明を待ちたい。

資金繰りに困った人から融資の相談を受けることは、党派を問わず行われている。そのうえで、2度と家宅捜索を受けることがないよう、相談対応のガイドラインを検討したい。

(公明党代表)

【2021年8月18日(17日発行) 夕刊フジ掲載】