大阪府北部地震 早急に課題を検証し、防災対策を見直す
2018.06.27
大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震が18日朝、発生した。大阪府で震度6弱を観測したのは、気象庁の観測史上、初めてである。
小学校のブロック塀が倒壊して死亡した小学4年生をはじめ、5人が犠牲となり、400人以上が負傷した。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されたみなさまには心からお見舞いを申し上げたい。
鉄道、道路などの交通網が遮断され、エレベーター停止も多発した大阪は、通勤・通学時と重なり、大混乱に陥った。
私は23日、大阪府本部所属議員とともに、高槻市や、茨木市、箕面市、吹田市などの被災現場を視察した。ブロック塀が倒壊した高槻市立寿栄小学校で献花し、黙祷(もくとう)をささげた。
同校では、ブロック塀の倒壊を防ぐ鉄筋や「控え壁」が、建築基準法通りに施工されていなかった。高槻市の濱田剛史市長は「同様のブロック塀のある小学校は多数あり、迅速に対処する」と述べた。
また、住宅の屋根が損傷し、梅雨時の雨もりが懸念されたが、必要なブルーシートの確保や配布に手間取り、屋根に張る人手も足らず、後手にまわるところもあった。茨木市の集合住宅では、カッパを着て一夜を明かした人もいた。住民の居住確保が急がれる。
前出の濱田市長が「市の防災計画や訓練だけでは、現場が効果的に動かなかった。今回の教訓に沿って、見直す必要がある」と、私に語っていたのが印象的だ。
今回の大阪府北部地震は、さまざまな課題と教訓を生んだ。阪神淡路大震災以来、各地で続いている地震を踏まえ、国会としても、早急に衆参の災害対策特別委員会を開いて、課題を検証するとともに、防災対策などを見直す議論が必要だ。
通常国会延長、残る重要法案を成立させる
通常国会が7月22日まで32日間延長になった。会期内に採決できなかった「働き方改革関連法案」を仕上げ、残る重要法案を成立させるための延長である。
受動喫煙防止策を含む「健康増進法」も、まもなく成立する東京都の「受動喫煙防止条例」と同じタイミングで、都民・国民に周知する必要がある。
カジノを含む「統合型リゾート施設整備法」は、国会が「推進法」を作って、「政府が1年以内をめどに実施法を作って国会に出せ」と命じたものである。
参院の選挙制度も、「抜本改正をやる」と自ら法律で決めたことを実行する必要がある。自民党から議員定数6増の「公職選挙法改正案」が提案されている。反対だけですむ話ではない。議長を先頭に、対案も含めて合意形成の努力が尽くされなければならない。
大阪府北部地震を教訓に、老朽化に対応する「水道法」も成立を図るべきだ。拉致問題解決を含めた北朝鮮情勢に国民の関心も高い。
一部野党は、上記の法案には反対を叫び、相変わらず「モリカケ」で政権批判を続けている。それを見てか、内閣支持率が回復してきた。(公明党代表)