大阪万博を経済活性化の起爆剤に
2018.11.28
博覧会国際事務局(BIE)の総会が23日(日本時間24日未明)、パリで開催され、2025年大阪万博(国際博覧会)の開催が決まった。ロシアのエカテリンブルク、アゼルバイジャンのバクーと三つどもえの争いとなり、決選投票で、見事勝利した。
20年東京五輪後の日本経済を活性化させる起爆剤として、大いに期待されている。
大阪は1970年に万博開催経験があり、今日まで、空港、港湾、新幹線、高速道路など交通の利便性が改善されてきた。宿泊や食事、ショッピング、周辺観光地との連結などの総合力で、初開催を目指した2つの候補地より高い評価を得たものと思われる。
安倍晋三首相は「日本の魅力を世界に発信する絶好の機会」であり、「開催地のみならず、わが国を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する」と、オールジャパンの体制での取り組みを目指す。
松井一郎・大阪府知事も、健康、持続可能な社会システムなど、「世界の課題を解決する新しいモノとサービスを生み出すことへの投資」を期待し、「世界中があっと驚く万博を」と意気込む。
開催場所となる大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」を中心に、新たな交通網の整備や、IR(カジノを中心とした統合型リゾート)の誘致も視野に、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)などのテクノロジーを駆使して、会期中2800万人の来場と約2兆円の経済効果が見込まれている。
公明党としても、大阪はもとより、全国のネットワークを挙げて協力し、成功を期していきたい。私自身、55年前にできなかった万博参加の夢をかなえたい。
ゴーン容疑者逮捕〜日仏外交への波及避けろ〜
先週19日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者が、自らの報酬を過少申告したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。
80億円にものぼる役員報酬の過少申告、住宅購入のための投資資金私的流用、世界各地の高級住宅への家賃や家族旅行などへの私的な不正経費支出などが指摘されている。半面、日産の企業統治のあり方も問われる。
ゴーン容疑者は、19年前にフランスのルノー社から日産に送り込まれ、大胆なコストカットで有利子負債を数年で解消し、業績をV字回復させた。その経営手腕は鮮烈であり、日本の経済界にも少なからぬ影響を与えた。
それだけに、フランスでは「逮捕は、陰謀」との憶測もあったが、日産の4時間に及ぶ取締役会で、ルノー出身の2人の取締役にも、事実関係や日本の刑事手続に関する詳細な説明がされ、ついに、ゴーン容疑者の会長解任決議が全会一致でなされた。
フランス政府が筆頭株主であるルノーと、日産、三菱自動車との三社連合の行く末が注目されるなか、徹底した捜査による事案の解明と日仏の外交問題に波及させない対応が問われる。(公明党代表)
【2018年11月28日(27日発行)夕刊フジ掲載】