政治家には年輪の積み重ねも大切
2019.08.14
自民党の小泉進次郎衆院議員と、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが先週7日、首相官邸で電撃的な結婚発表を行い、翌日、神奈川県横須賀市役所に婚姻届を提出した。クリステルさんは妊娠中という。
重ね重ね「おめでとう」と言いたい。注目される2人だから、公表の仕方もそれなりに悩んだに違いない。
自民党の若手のホープと目される進次郎氏が、党首である安倍晋三総裁(首相)に報告するのは自然である。クリステルさんも、東京五輪招致のとき、「お・も・て・な・し」の心をプレゼンテーションし、安倍首相との縁がある。
「8月7日」は、6日の広島、9日の長崎での「平和祈念式典」のなか日にあたり、安倍首相や私など参列する政治家にとっては、使い勝手の良い狙い目の一日なのである。
以前、国政選挙で、公明党の比例区候補の応援に地方都市へ出かけた。街頭演説の場所は、見たこともない大勢の支持者であふれ返った。比例区候補とともに居合わせた自民党の選挙区候補の応援演説もやり、大いに盛り上がった。
私の演説が終わっても、聴衆は帰る素振りもない。聞けば「この後、小泉進次郎さんが駆けつけて来る」という。私は「前座」に過ぎなかったようだ。
このような国民的人気の高い進次郎氏が、このたびの結婚を機に、一児の父となる経験も経て、ひと回り大きくなった姿を見たいと思う人も多いだろう。政治家には年輪の積み重ねも大切だ。
イランと「対話」できるポジション重要
さて、マーク・エスパー米国防長官が就任後初めて来日し、7日に安倍首相を表敬後、岩屋毅防衛相と会談した。その際、エスパー氏は、中東・ホルムズ海峡の安全確保のため、米国主導の「有志連合」構想を説明し、岩屋氏は「政府全体として総合的に判断していく」と応じた。
安倍首相は9日、「日本関係船舶の航行の安全を確保するために、いかなる取り組みが効果的であるか、慎重に検討する」と述べた。
確かに、2017年度の原油輸入量に占めるホルムズ海峡依存度は、日本が87%と世界各国で突出している。中東からの輸入量自体は、中国やインドが日本より多い。いずれにしても、エネルギー供給確保のために中東は重要な地域である。
一方で、ホルムズ海峡の安全航行のカギを握るイランと主要国の外交経過をしっかり見る必要がある。
イランと米英仏独中露の6カ国は「核合意」を結んで、日本も支持した。その後、米国が離脱し、イランへの制裁を強めた。今年6月、安倍首相はイランを訪問し、最高指導者のハメネイ師らと会談を行った。
この友好関係を背景にした「対話」できるポジションは極めて重要である。これを失うことなく、外交的解決の努力を惜しんではならない。
(公明党代表)
【2019年8月14日(13日発行)付 夕刊フジ掲載】