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ブログ「本音でズバッと」

首里城焼失 国の責任で再建すべきだ

2019.11.06

沖縄の首里城が10月31日に焼失した。

朝のテレビニュースを見ていて、突然、ヘリからの煙ただよう城郭の映像にわが眼を疑った。続いて、未明の那覇の空を焼け焦がす紅蓮の炎が立ち昇り、正殿の柱や梁(はり)の骨格が炎に包まれ、やがて崩れ落ちてゆく恐ろしい光景に、何とも言えない悲しさが込み上げてきた。

首里城は、沖縄の歴史と文化を象徴する建造物であり、沖縄県民の心のよりどころでもあった。落胆は大きい。私も何度か訪れたことがある。城壁を登り詰めて現れる壮麗な建物群。優美な装飾を施した正殿正面。その時の感動が蘇ってくる。

おそらく、全国の国民も喪失感を味わっていることだろう。極めて残念だ。

首里城跡は、「琉球王国のグスク(城)と関連遺産群」として世界遺産に登録されている。城壁や正殿などの建造物は戦後再建されたもので、建屋は国の所有である。

わが党はその日、役員会で国の責任で再建をすべきことを決め、赤羽一嘉国交相に申し入れるとともに、2日には斉藤鉄夫幹事長が地元議員と現場を調査した。

今後、原因究明と再発防止を徹底し、「首里城再建」を早急に行ってもらいたい。

「辺野古移設」をめぐって、沖縄県と中央政府には隔たりがあるが、この課題では足並みをそろえることができる。

沖縄県は、速やかに「ふるさと納税」を利用してネットで寄付を募ったところ、たちまち億単位の浄財が全国から寄せられた。尊いことである。

緊張感持って政権運営を

この1週間余りで、菅原一秀経産相と河井克行法相の2人が辞任した。いずれも「政治とカネ」の疑惑に絡むもので、有権者は「またか…」とあきれているに違いない。

さらに、萩生田光一文科相の「身の丈に合った」発言を機に、文科省は、大学入学共通テストに導入予定だった英語民間検定試験の延期を余儀なくされた。霞が関への信頼が揺らぎかねない事態である。

野党やメディアからは「長期政権の緩み」という批判も出ている。謙虚に受け止めなければならない。

私は菅原氏辞任後、安倍晋三首相と党首会談を行い、首相からの陳謝を受け、気を引き締めて政権運営にあたることを誓った。その直後の河井氏辞任である。首相は「誠に申し訳ない」と力なくわびた。

安倍首相が任命責任を果たすには、閣僚の不祥事で国民の不信を招いたり国会審議が停滞したりしないようにすることが一番だ。河井氏の辞任は事実上の「更迭」であり、素早く任命責任を果たしたともいえる。

萩生田氏の発言は軽率のそしりを免れない。しかし、その発言への批判が、「延期」の判断を生んだ。高校、大学、生徒のいずれからも懸念や戸惑いがあがっていただけに、立ち止まって再考する機会を生かしたい。

「安定と挑戦」を掲げてスタートした改造内閣だったが、無謀な「冒険」だったでは困る。与党として厳しく内閣を監視するとともに、緊張感を持って政権運営に当たりたい。

(公明党代表)

【2019年11月6日(5日発行) 夕刊フジ掲載】