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活動レポート

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ブログ「本音でズバッと」

生活と雇用守る「雇用調整助成金」を拡充

2020.04.15

安倍晋三首相は7日、先に改正した新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、東京や大阪など7都府県に「緊急事態宣言」を発令した。世界的な感染拡大が続くなか、日本での急増する感染拡大を食い止めるためである。

政府は、専門家会議の意見に基づき、1カ月程度の期間で、人々の接触を最低でも7割、極力8割減らすことによって感染拡大が止まるとし、6割では長引くと警鐘を鳴らす。

「医療崩壊」を起こさない取り組みが重要だ。東京など、感染者の数が対応できる病床数を上回る勢いを示す地域も出始めた。軽症者は用意されたホテルなどの宿泊施設か自宅に移し、入院は重症者や中症者にしぼって病床を確保する。

同日、先に指示していた緊急経済対策を発表した。事業規模108兆円、新規の財源は赤字国債14・5兆円を含む。

注目は、観光や飲食、イベント、文化・スポーツなど急激に落ち込んだ分野を中心に、雇用の維持や事業の継続、収入が激減して生活に困窮する家庭の生活支援である。

雇用を維持する事業者には、雇用保険による「雇用調整助成金」を使って、特例的に、助成率を上げ、期間を長くし、手続きを簡略にして働く人の雇用と生活を守ってもらう。

事業の継続には、「持続化給付金」で、中小企業に200万円、個人事業主に100万円を上限に給付し、倒産を免れるようしのいでもらう。

一家の働き手の収入がなくなったり、激減したりして生活に困窮する家庭には30万円を自己申告で早くもらえるようにする。

野党からは、「遅すぎる」とか「補償金を出すべきだ」などの批判がある。しかし、学校の一斉休校の要請以降、試行錯誤を重ねながら、緊急事態宣言への対応の準備が進んだ。大きな混乱を招くことなく、多くの国民が新型コロナを乗り越えようと覚悟を決めて、むしろ、果断な政府の対応を求めているとさえ感じる。

国と対象自治体の緊密な連携が必要

緊急事態宣言を受けて、対象自治体は具体的な措置をとるため国との緊密な連携が必要となる。当初、休業要請をめぐり、国と東京都の足並みがそろわないように見えた。危機感の強い東京都は、国よりも広く休業対象を想定し、協力金をテコに進めようとした。近隣3県は、財政的に同じ歩調はとれないと悩んだ。国は、対象自治体それぞれの事情も考慮し、東京都並みに一律にはできないと調整を重ねた。

東京都はネットカフェ休業要請による利用者の居住場所を確保し、国は近隣自治体が要請先に協力を促す財政措置がとれるよう臨時交付金を配慮するとして東京都のやり方を容認した。

緊急経済対策の構想から実施までにはタイムラグが生じる。その間、事態はどんどん変化する。緊急事態宣言が出て、社会に大きな影響が広がっている。そこをよく見極めて、機敏に必要となる次の手を考えることを忘れてはならない。国民の理解と協力のもと国と地方一体でコロナを乗り越えたい。

(公明党代表)

【2020年4月15日(14日発行)付 夕刊フジ掲載】