菅内閣「改革姿勢」高評価も、まずはコロナ対策、経済回復を
2020.10.07
菅義偉内閣が発足して3週間近くになる。ここまで、菅首相は自民党総裁選挙を経て、自公党首会談で「連立政権合意」を結び、臨時国会で内閣総理大臣に指名されるや直ちに組閣を終えてスタートダッシュ。精力的に日程をこなしている。
世論調査を見る限り、新内閣は60~70%台の高支持率を得て出足は良い。これは、「行政の縦割り」「既得権益」「悪しき前例主義」を打破して「国民のために働く内閣」をつくるとの改革姿勢が評価されているものと思われる。
これに気をよくして、「支持率の高いうちに早期の衆院解散を」との声が自民党内から上がった。しかし、菅首相は、「新型コロナと経済対策を優先する」との方針のようだ。世論も経済界も、まずはコロナ対策、並んで経済回復を望んでおり、真摯(しんし)に声を受け止めて対応すべきであろう。
2日に自公党首会談をしたときも、菅首相は同様の方針を示し、任期満了まで1年余りのどこかで総選挙があると語り、時期は明言しなかった。また、与党と連携して政策を実行し、しっかり成果を出していきたいとの意気込みを述べていた。
学術会議の会員選任 分かりやすい説明を
今月26日にも臨時国会が召集される。それに先だって7日、8日に衆参の内閣委員会で閉会中審査も実施される。コロナ対策を中心に前哨戦の始まりだ。日本学術会議の会員選任をめぐっても政府にわかりやすい説明が求められよう。
米大統領選の投開票まであと1か月となった。誰が当選するにせよ、日本の外交や安全保障に直結する重大な選挙である。先日、第1回のテレビ討論会が行われ、15日の第2回を含め3回予定されている。
その折も折、ドナルド・トランプ米大統領が新型コロナウイルスで陽性となった。軍の病院に入院し、治療薬のレムデシベル投与など懸命の治療が続けられている。症状は改善したといわれるものの、ここ数日は容体の注視が必要とされる。
目前の遊説日程はキャンセルされ、今後の討論会実施のめどは立っていない。トランプ氏は選挙戦略の見直しを余儀なくされ、権力の空白を招かない政権運営が求められている。一日も早い回復を願う。
この間、公明党も9月27日に党大会を開き、私が7期目の代表に選任された。合わせて、石井啓一氏が幹事長に、竹内譲氏が政調会長に新任となり、党運営のバランスと世代交代にも配意した新たな体制でスタートした。
政権の変わり目であり、打ち出す政策も、「携帯電話の料金引き下げ」や「不妊治療への保険適用」などと具体的で、いずれも公明党が長年推進してきたことであるから、しっかり菅内閣を支えて実現を図っていく。
国民目線に沿った政権運営をめざしたい。
(公明党代表)
【2020年10月7日(6日発刊) 夕刊フジ掲載】