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活動レポート

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ブログ「本音でズバッと」

同盟国の混乱は日本の外交安保にもマイナス

2020.11.18

米大統領選は投開票から2週間になるが、いまだに決着が付かない。

ワシントンDCと、50州で開票作業はほぼ終了し、獲得した選挙人は、ジョー・バイデン前副大統領が306人と過半数を36人上回った。主要メディアは、バイデン氏に当確を出し、菅義偉首相ら各国首脳から祝意も寄せられている。

ところが、ドナルド・トランプ大統領が不正投票疑惑を主張して法廷闘争に乗り出しており、「敗北宣言」が出ない状態が続いている。

トランプ氏はさらに、マーク・エスパー国防長官を解任し、クリストファー・ミラー氏を国防長官代行に任命した。政権移行準備にも協力姿勢を見せていない。米国の混乱が続けば、同盟国である日本などの外交や安全保障にもマイナスの影響が及びかねない。

この状況を傍観することなく、菅首相は12日、バイデン氏と電話会談を行い、日米同盟の強化と、コロナ対策、気候変動問題などで連携することを確認した。バイデン氏からは「日米安保条約第5条の、沖縄県・尖閣諸島への適用についてコミットメント(確約)」があったという。

バイデン政権誕生の際は、菅首相が早期に訪米して首脳会談を行い、信頼関係を深めることが大切だ。

バイデン氏は、国際協調を重視し、気候変動に関するパリ協定に復帰する意向を示している。菅首相が進める「2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロ」の目標に向けて連携が望まれる。

15日に署名されたRCEP(東アジア地域包括的経済連携)は、日本や中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリア、ニュージーランドを加えた巨大な経済圏となる。先に成立したTPP11(環太平洋戦略的経済連携協定)を含めて、米国の参加を日本が促していくことがバランスのとれた自由貿易を促進し、力強い経済を生み出すことになる。

米国が、インド太平洋地域でこれまでより幅広く日本と協力することによって、この地域が平和で安定したものになることを期待したい。

ここ数週間、新型コロナウイルスの感染者が北海道や愛知をはじめ全国各地で増えている。

寒い季節になり、ウイルスが活性化したうえ変異したとの見方もある。いずれにしても、「三密」を避け、クラスター対策などの防止策を徹底して実行することが大切だ。窓を閉め切ってマスクもせずカラオケに興じて十数人が感染したとの報道もあり、油断は禁物である。

といって、再び緊急事態宣言を出すことは、倒産や失業者を増やす危険性があり、行き過ぎである。16日公表された7-9月期のGDP速報値は年率換算21・4%プラスとなった。感染第2波と重なる時期だが、社会経済活動との両立を図ることで、緊急事態宣言下の4-6月期28・3%マイナスから上昇に転じた。

これからも、検査・診療体制を整え、重症者を抑えて医療体制の逼迫(ひっぱく)を招かないよう、万全の感染防止策を講じながら、Go To トラベル事業を含め、着実に経済の回復を図ることが重要である。

(公明党代表)

【2020年11月18日(17日発行)付 夕刊フジ掲載】