「蔓延防止拡大」と日米首脳会談に期待すること
2021.04.14
週明けの12日朝、男子ゴルフの松山英樹が、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで行われた「マスターズ・トーナメント」で優勝したという、素晴らしい知らせが日本中を駆けめぐった。海外メジャー優勝は、日本人男子としても、アジア出身としても初の快挙である。
コロナ禍で緊張を強いられるなか、スポーツを通じた明るい話題は、競泳の池江璃花子選手の日本選手権4冠の復活劇に続き、日本の人々に元気と感動を与えてくれる。2人をはじめアスリートの活躍を期待したい。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」が既に、大阪府、兵庫県、宮城県に適用されていたが、12日から、東京都、京都府、沖縄県の3都府県が追加され、6都府県に拡大した。
飲食店の営業時間を午後8時まで短縮するよう要請し、協力金を、店舗ごとの営業規模に応じて大小を区分した支払いをする。時短要請に応じない場合は知事が命令することもでき、命令違反には過料の制裁がある。
さらに、イベントの入場上限を5000人、または収容定員の50%以内のいずれか大きい方とすること、生活や健康の維持に必要とまではいえない不要不急の外出や、域外の往来を自粛することなどの措置がとられる。
12日から、一部の高齢者に対するワクチン接種が始まった。6月までに届くとされるワクチンが広く国民に接種されて社会的免疫がある程度形成されるまで、感染防止対策を徹底していくことが大切である。
そうした努力の先に東京五輪の開催が見えてくると確信したい。
菅義偉首相とジョー・バイデン米大統領の日米首脳会談が今週末の16日、米ワシントンで開催される。バイデン氏が1月の就任後、初めて対面で会う外国首脳となる。同盟国である日本を重視する姿勢と受け止めたい。
会談では、まずは両首脳の個人的信頼関係を深めることが第一だ。また、最も重要な二国間関係である日米同盟の強化を確認することが大切である。
そのうえで、北朝鮮の核・ミサイル問題や日本人拉致問題、新型コロナ対策、気候変動対応、東京五輪の開催など、さまざまなテーマにわたって、その方向性や協力のあり方を語り合ってもらいたい。
このところ軍事的プレゼンスの拡大を続ける中国を見据えて、対抗・競争する場面と、協調・協力する課題を踏まえた日米の結束を固め直すことを望む。
中長期的な対応が求められる分野で、両国の対応に大きな振幅が生じることは避けなければならない。基軸がしっかりしていけば、真剣な対話を引き出す背景にもなり得る。
ポストコロナを展望した出発点となる有意義な会談を期待したい。
(公明党代表)
【2021年4月14日(13日発行)付 夕刊フジ掲載】