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ブログ「本音でズバッと」

G7方針と伝統的外交方針考慮した議論を

2021.06.23

7月23日に開会式を迎える東京五輪まで約1カ月となった。国民の方々の自粛への協力もあり、新型コロナの新規感染者も減少傾向にある。21日からは緊急事態宣言が沖縄を除いて解除となり、継続を含めた10都道府県でリバウンドを警戒しながら「まん延防止等重点措置」を7月11日までとることとなった。

ワクチン接種も、自治体や自衛隊の努力に加え、21日から企業や大学などで職域接種が本格的に始まり、加速化が顕著になってきている。

こうしたなか、政府分科会の尾身茂会長ら専門家有志は18日、「無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低く望ましい」としつつ、観客を収容する場合の考慮事項を3点ほど指摘した提言を政府と大会組織委員会に提出した。

尾身会長らは、すでに生じている人流拡大傾向で感染者や重症者の再増加となる可能性や感染力の強い変異株の影響、さらには大会を契機に人流、接触機会の増大につながるリスクを考慮している。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、政府、東京都と5者協議を行い、「会場の収容定員の50%以内で1万人を上限」とし、観客を入れて開催するとともに、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の下で開催される場合は「無観客」も含めて関係者間で協議することを決定した。

国内では、すでにプロ野球や各種国際競技などで感染防止策を施したイベント開催の経験を積み上げてきた。こうした教訓を生かし、多数の競技が集中的に開催されることによる人流に配慮しながら、「安全安心の感染防止策」の国民への周知と関係者への徹底が望まれる。

通常国会が16日、閉会となった。新型コロナ対策と中国の軍事的活動拡大への対応などが注目される国会となった。

新型コロナ対策では、ワクチン接種の無料化財源を確保する2020年度第3次補正予算や「まん延防止等重点措置」を決めた特措法などを成立させ、それらを反映させた措置を実行に移しながら、国会でのチェックが繰り返される展開となった。

菅義偉首相は、予算委員会の当初こそ苦しんだが、「党首討論」までには硬さがとれ、日米首脳会談や、先進7カ国(G7)首脳会議では、わが国の立場を踏まえて主導的役割を果たした。

G7首脳会議では中国に対し、新疆ウイグル自治区における、人権および基本的自由の尊重を求めることなどにより、共通の価値を促進することで一致した。

国会では、中国のウイグルなどでの人権侵害を非難する決議を模索する動きもあったが、自民党内で最終的にまとまらなかった。ネット上では、公明党へ責任をなすりつけるような意見もある。

今後は、こうしたG7首脳らの一致した方針と、日本政府が東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国も含めて対応してきた伝統的な外交方針を考慮したうえで、議論がなされることを期待したい。

(公明党代表)

【2021年6月23日(22日発行)付 夕刊フジ掲載】