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ブログ「本音でズバッと」

オミクロン株 経済・社会活動止めない対応必要

2022.01.26

新たな変異株「オミクロン株」の感染急拡大で、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新し、先週末から全国で5万人を超える日が続いている。

ただ、中・重症者は少なく、軽症・無症状者がほとんどといわれている。実際、私が20日視察した東京都内のコロナ対応病院でも、用意した病床の使用率はすでに6割を超えたが、集中治療室や酸素吸入の利用はまだないとのことだった。

政府は自治体の要請を受けて、「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の適用地域を広げている。このまま入院者が増加すればコロナ病床は不足して、遅れて増加するかもしれないコロナ重症者への対応ができなくなり、コロナ以外の医療をも圧迫しかねない。

濃厚接触者の認定を受けたエッセンシャルワーカーが増えて自宅待機を余儀なくされれば、社会の機能が低下する。現状は、自治体間でも対応に差があるうえ、専門家の見解も分かれているようだ。

経済や社会の活動を止めないために、オミクロン株に適した対応が必要となろう。病床逼迫(ひっぱく)を防ぐためには、感染者の過半を占める若い世代で重症化リスクのない人は自宅療養を基本とし、濃厚接触者の待機期間につき、PCR検査などを条件にもっと短縮することなどが求められる。

南太平洋のトンガ沖にある海底火山が15日、1000年に一度という大噴火を起こした。海底ケーブルが切断され、津波が住宅に浸水し、火山灰で飲料水が汚染されるなど、大きな被害の実態が明らかになりつつある。

日本政府は取り急ぎ、100万ドル(約1億1300万円)超の資金援助とともに、航空自衛隊の輸送機で飲料水などを届けた。さらに、支援物資や、火山灰を除去する高圧洗浄機、大型輸送ヘリコプターを搭載した海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が24日、広島県・呉基地を出港した。

トンガは「親日国で」、皇室とトンガ王室の深いつながりや、ラグビーなどで、多くの日本人にも親しみがある。東日本大震災でも多くの支援をしてくれた。

その復興と防災などをテーマに「太平洋・島サミット」が、被災地の福島県いわき市で2度開催された。私は2018年、サミット参加者の歓迎レセプションで、トンガ代表のセミシ・キオア・ラフ・シカ副首相にお会いした。サイクロン被害もあり、防災協力の必要性などを語り合った。この度、その感を一層深くする。

国会論戦は衆院予算委員会に舞台を移した。早ければ2月1日の本会議で、中国を念頭に置いた人権問題を非難する決議の採択が模索されている。自公の担当者間では原案がほぼまとまっているが、「全会一致の原則」のもと、春節を迎え北京冬季五輪開催を控えるなか、いずれのタイミングで各党各会派の合意が調整できるか、国対の動きが注目される。

岸田文雄首相は21日、ジョー・バイデン米大統領とオンライン形式による日米首脳会談を行い、中国の人権状況を含めた諸問題への対応で緊密に連携することで一致した。これからの「新時代リアリズム外交」が試される。

(公明党代表)

【2022年1月26日(25日発行)付 夕刊フジ掲載】