訪韓で感じた日韓関係改善と家康が築いた天下太平
2023.01.11
読者の皆さま、明けましておめでとうございます。本年もズバッといきますのでご愛読の程、宜しくお願い致します。
昨年12月29日から大みそかまで、公明党訪韓団の団長としてソウルを訪問した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談をはじめ、各界要人との対話を通じて、日韓関係改善への意欲と懸案解決への熱意を感じ取るとともに、安全保障面で連携を強化することの重要性を確認することができた。
11月の岸田文雄首相と尹大統領の日韓首脳会談を機に、政治家や民間の往来が活発になりつつある。政党交流を重ねてきた公明党の訪韓もこの改善の流れを着実に進めることにつながる。岸田首相には訪韓の前後で報告し、与党として政府の取り組みをバックアップすることを確認した。
年改まって元旦は宮中に赴いて、「新年祝賀の儀」に三権の長らとともに参列し、天皇皇后両陛下と各皇族方に祝意をささげた。
翌2日は、公明党恒例の新春街頭演説を池袋駅東口で行い、今年の展望と抱負などを語った。
私は今年注目されそうな「家康」に触れた。これには伏線がある。
訪韓の際、朴振(パク・チン)外相から東大留学中の研究テーマは「朝鮮通信使」だったとの言及があった。徳川太平の時代が長く続いたから通信史の長い交流が実現したとの話である。そこで、私から2023年のNHK大河ドラマのテーマは「家康です」と伝えた。
また、公明新聞元旦号の新春対談相手は、長編小説「家康」を著した安部龍太郎氏だ。安部氏は、信長、秀吉が「重商主義、中央集権」だったのに対し、家康は「農本主義、地方分権」でいったという。苦難の連続の中で、戦の旗印に「厭離穢土(おんりえど)欣求浄土(ごんぐじょうど)」を掲げ、本気で戦乱のない世の中と貧富の差が広がり過ぎない農業を国家運営の基礎とすることを目指したというのである。
さて、8日から始まった大河ドラマ「どうする家康」。今後の展開が楽しみだ。
今年の政治の展開は「統一地方選挙」が節目だ。地方議員の基盤は政党の足腰の強さに直結する。公明党は、その基盤を確保し、生活現場の「小さな声」を聞き、議員の「ネットワーク」を生かして、地域の活力を引き出し地方創生を推進していきたい。
5月には広島でG7(先進7カ国)首脳会議がある。力による一方的な現状変更の試みを止めさせ、ルールに基づく国際秩序を取り戻すために、議長国としてリーダーシップを発揮する必要がある。合わせて、岸田首相の地元である被爆地・広島開催だからこそ、「核兵器のない世界」を目指して前進を図ることが期待される。
「家康」の目指した世界を現代に再現することができるか正念場の年となる。
(公明党代表)
【2023年1月11日(10日発行)付 夕刊フジ掲載】