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ブログ「本音でズバッと」

陸自ヘリ事故は痛恨の極み、再発防止を

2023.04.19

陸上自衛隊のヘリコプターが、沖縄県・宮古島付近で6日消息をたった事故で、ようやく13日夜に伊良部島北東の海域で、機体の主要部分とみられる物体が見つかった。

周辺の水深は100メートル程度で、深い海で安全に活動できる訓練を受けた海上自衛隊員が「飽和潜水」と呼ばれる特殊な潜水方法で、捜索や機体の引き揚げにあたっている。天候の整った16日から本格的な作業が開始された。

パイロットや整備員のほか、現地部隊の隊員と熊本市に司令部を置く第8師団の坂本雄一師団長(陸将)ら師団幹部など10人の隊員が行方不明となっていた。

19日までの捜索で6人が発見され、5人の死亡が確認された。心からご冥福をお祈りいたします。なお行方の分からない隊員の捜索を急ぐとともに、機体の引き揚げが可能か検討されている。

同師団は、有事の際の「機動師団」に位置付けられ、沖縄県など南西諸島への展開も想定されている。先月末着任したばかりの坂本師団長は、宮古島駐屯地の訪問と、ヘリからの地形視察を実施したようだ。

坂本師団長は、防衛政策の立案や部隊運用の経験が豊富であり、防衛の最前線での積極的な行動が暗転したことは痛恨の極みというほかない。

事故原因の究明には、フライトレコーダーやボイスレコーダーの回収がカギを握る。事故当日の気象条件はおおむね良好であり、直前2分前の管制官との交信も異常はない。緊急時に電波を発する装置が作動しておらず、救難無線機の信号も確認されていない。事態急変の原因が何かを突き止めることが再発防止の第一歩となる。

そのうえで、第8師団の体制再構築を図らなければならない。

一難去ってまた一難と言うべきか、安倍晋三元首相の暗殺から1年もたたないというのに、今度は、岸田文雄首相が15日、和歌山市の雑賀崎漁港を視察後、街頭演説を始める直前に金属パイプ状の爆発物が投げ込まれる事件が発生した。

爆発物は岸田首相の足元近くに転がり、警護官が足で蹴り退けて、首相を退避させた直後に爆発した。破片が飛び散り、白煙が立ち込めた。この事件で、威力業務妨害の疑いで24歳の容疑者が現行犯逮捕された。

爆発で2人が軽傷を負ったが、岸田首相や他の聴衆は無事だった。犯人はもう一つ爆発物を持っていたが、取り上げられて押収され、爆発には至らなかった。犯人は当初から黙秘しているが、犯行の動機や犯行に至る経緯、爆発物の入手方法や殺傷力など、事件の全容解明が急がれる。

もとより、選挙という政治家や候補者が有権者に語り掛ける「民主主義の基本的行為」を妨害することは断じて許されない。衆参補欠選挙の最中であり、16日からは統一地方選挙・後半戦も始まっている。健全な選挙運動を萎縮させかねない暴挙である。

岸田首相は、その場の演説は中止したが、以後の予定された演説はすべて実施した。自公与党はひるむことなく、街頭演説などを実行することを申し合わせた。

広島でのG7(先進7カ国)首脳会議や、それに先立つ閣僚会合なども各地で開催される。改めて、厳重な警備のうえ、三度同様の事件を繰り返させてはならない。

(公明党代表)

【2023年4月19日(18日発行)付 夕刊フジ掲載】