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ブログ「本音でズバッと」

G7サミットに期待したい3点 中国の振る舞いを念頭に率直な議論展開を

2023.05.10

今年のGWは、久々に各地に賑わいが戻ってきたようだ。さらに8日から、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが「2類」から「5類」に変更された。人々の動きが、社会的にも経済的にもより活発になっていくであろう。

私もそんな前向きな気分のなかで、GWの貴重な時間を活かすことができた。日頃会えない人々と語らい、集中的に時間をとってやるべき仕事をこなした。もちろん、休養・栄養をとり体調も整えた。

2日は、恒例となっている憲法記念日(3日)の街頭演説を前倒しで行い、7日には、来る14日告示の東京都足立区の区議会議員選挙に臨む人たちと街頭で実績や政策を訴えた。

明けていよいよ、岸田文雄政権は、19日に迫る広島でのG7(先進7カ国)首脳会議への準備に集中する。

ロシアによるウクライナ侵略や、中国の軍事的活動の拡大が進むなか、G7首脳の発信は重要である。多岐にわたる課題のなかで、私が期待したいことは、大きく3点ある。

まず、一刻も早くウクライナでの戦闘を止めさせ、復興への道筋を示すことである。国連安保理の常任理事国であるロシアが力による現状変更を一方的に行って国際秩序を脅かしていることを強く非難し、「法の支配」に基づく国際秩序を堅持することを明確にしなければならない。G7各国がこれまで国際社会で果たしてきた役割を総合して、ウクライナに寄り添った支援のあり方を示してもらいたい。

次に、広島で開催されることから、「核廃絶」への強いメッセージを出すことである。被爆地・広島出身の岸田首相が肝いりで開催地を広島と決めた。各国首脳とともに原爆資料館を訪れ、被爆の実相に触れてもらいたい。ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、核の使用や威嚇をほのめかしている。「核兵器の使用や核兵器による威嚇は許されない」ことを明確にし、昨年、アントニオ・グテーレス国連事務総長が広島で言及した「核兵器の先制不使用」のルール化に道筋をつけてもらいたい。

最後に、ロシアによるエネルギーや穀物の取引混乱で影響を受けた「グローバルサウス」(南半球を中心とした新興国・途上国)諸国に対し、対等なパートナーとしてともに歩む姿勢を確立することである。特に、日本は経済や軍事の直接的な「力」ではなく、「法」の支配が自国と自国民を守ることにつながることを示していくべきである。

この3点は、中国の振る舞いを意識したものにもなる。率直な懸念や協力への期待を念頭に入れた議論がなされるであろう。

岸田首相は、ウクライナを訪問し、アフリカ諸国を歴訪し、招待国の首脳とも会談してきた。このほど、12年ぶりに韓国を訪問したシャトル外交の成果も含めてG7首脳会談に活かしてもらいたい。

先の補選の結果や外交成果を踏まえて岸田首相の「解散戦略」に触れる論調があるが、解散権のない私はあれこれ言及しないようにしている。

(公明党代表)

【2023年5月10日(9日発行)付 夕刊フジ掲載】