衆院3補選で問われる「政治家の無責任」
2024.04.17
16日、3つの衆院補選が告示された。いずれも自民党が議席を持っていた選挙区なので公明党は候補を立てない。自民党は、島根1区のみ公認候補を立て、長崎3区と東京15区は自前の候補を出さず、他候補の推薦も出さない。
公明党は、自民党から依頼のあった島根1区に推薦を出した。長崎3区は自主投票。東京15区は注目された乙武洋匡氏から推薦の依頼がないので、党としては態度を決めていない。
この補選は、「政治とカネ」をめぐる自民党の派閥や議員の違法行為により政治不信が募るなかで行われる。信頼回復への姿勢が大きな争点で、とりわけ再発防止のために政治資金規正法改正を今国会中に実現することを誠実に訴えることが大切だ。
衆参両院で「政治改革に関する特別委員会」が設置されたことから、この委員会を軸に合意形成を図るために、今週から自民党と公明党で法改正に向けた協議を始める。
国民が厳しく見ているのは、違法行為が摘発されても、会計責任者や秘書の責任が問われるばかりで政治家が責任を取らない現状があるからだ。いわゆる「連座制」も含めて議員の責任を強化する実効性のある具体策が望まれている。
合わせて、第三者機関のチェックや透明性の強化を含めて、公明党は、与党はもちろん野党とも幅広い合意を得て法改正をリードしていきたい。
15日昼、自公党首会談を行い、上記の取り組みの大枠を確認するとともに、この度の国賓訪米についても岸田文雄首相から報告を受け、意見交換した。
岸田首相はあたたかく歓迎され、素晴らしい笑顔で応えていたのが印象的だった。盛りだくさんな行事を精力的にこなし、幅広い成果を生み出した。訪米後の複数の世論調査では内閣支持率がやや上昇し、国民が好感していることがうかがえる。
今後の課題について、まずは、この成果を注意深く着実に結実させていくことが重要だ。日米首脳会談の中では、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化していくグローバルパートナーシップ」を強調する一方、中国や北朝鮮を意識したやりとりがある。これらの国々とどう対話していくのかという課題もある。
また、内閣支持率が上がったとはいえ、小幅に過ぎない。揺るぎない上昇トレンドを生み出すためには2つの課題がある。
1つは、政治不信を払拭する上記の取り組みで成果を出し、信頼を回復すること。もう1つは、国民の望む政策を実現し、不安を取り除き希望を持てるようにすることである。
(公明党代表)
【2024年4月17日(16日発行)付 夕刊フジ掲載】